為替の変動はどんな時に起こるの?過去の変動の傾向からの参考事例を紹介します。
為替の変動はどんな時に起こるのか?
大きく分けて4種類ありますが紹介します。
- ファンダメンタルズ要因(経済的条件)
- 需給関係
- 政策要因
- その他
●ファンダメンタルズ要因(経済の基礎的諸条件)
インフレや国の経済などが大きく関係しますが、以下の数値などが影響します。
- ・貿易収支
- 外国との物品の輸出入の収支のことを言います。「貿易黒字」「貿易赤字」
- ・経済成長率
- GDP(国内総生産)が代表的。GDPは国の経済成長率を表す指標で、一定期間内に国内で新たに作り出されたされたモノやサービスの付加価値を集計したもの。
- ・雇用統計
- 失業率(労働人口に占める失業者の割合)。
- ・物価
- インフレ傾向、デフレ傾向を知るための指標。
- ・金利政策
- 金利が高い方に資金が流れる。
金利が上昇すると、その国の通貨が買われ、高くなる。
●需給関係
ある国の通貨ともう一方の国の通貨を買いたい人のニーズです。
例えば、あるメーカーがアメリカにテレビを輸出した場合、商品を売って、ドルを受け取ることになり、当然、日本企業はドルを円に換えす。これは、ドルを売って、円に買うことになります。つまり、円高ドル安を引き起こします。上記を踏まえて、円安のときを狙って、ドルを売った方が企業としては儲けるのはお分かりでしょう。
逆に肉をアメリカから輸入した場合を考えます。
アメリカから輸入するためには、ドルと交換になります。それゆえ、円を売ってドルを買う必要があるのです。これが、円安ドル高を引き起こます。
輸入のときは、円高のときを狙って、ドルを買った方が、企業としては儲けることができます。
上記の、円売り、円買いがいろんな会社、企業で行なわれますが、トータルで円を買いたい人よりもドルを買いたい(円を売りたい)人が多ければ、ドルが高くなり、その逆であれば円が高くなるといった仕組みです。
●政策要因
- 1.日本銀行が円買い介入
- 過去の介入事例は99年の7.6兆円、2000年 3.2兆、2001年 3.2兆、2002年 4兆などです。99年は110円/ドルから100円/ドルでしたが、その後は米国の景気後退により日本の経常収支が悪化したこともあり、順調に円安が進行、2002年春には135円/ドルまで円安に戻すことに成功したこともあります。
- 2.政治の安定性
- 政治が不安定になると円安につながります。 クーデターが起こりそうな国はもちろん、政権交代なども相場変動の要因になることがあります。
- 3.通貨政策
- 中国の人民元の切り上げ問題などが代表的な例。アメリカのドル高政策、ドル安政策なども。アメリカ側で輸出企業を優遇するための政策が発表されるということは、ドル安政策となることもあります。
●その他
■テロ、戦争の為替への影響
テロや戦争が起こった場合にはその国の通貨は大きく値下がります。
2005年7月のロンドンでのテロの直後も、英ポンドは大きく値下がります。
逆にどこかの国で戦争が起こればアメリカドルが買われドル高に動くのが一般的です。
有事の際は、資産はより安全な所にシフトするからだと考えられています。
ただし、当然のですが、アメリカでテロや政情不安を引き起こすような事件があればアメリカドルは下落します。
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